導入のメリット・デメリット

系統用蓄電池の導入メリットは、日本卸電力取引所（JEPX）での市場取引による利益獲得です。電力価格の低い時に購入し、高い時に売却することで差額利益を得られます。適切な充放電制御により安定した収益が期待でき、将来的には卸電力市場に加え、需給調整市場や容量市場も活用するビジネスモデルが想定されています。 系統蓄電池を活用すれば、電気使用量が少ない時間帯に蓄電し、使用量が多い時間帯に放電することで、最大需要を抑えられます。これにより、基本料金の基準となるピーク電力を削減し、電気料金の節約が可能になります。 自然災害の影響でBCP対策の重要性が増しており、事業継続には電力確保が欠かせません。系統蓄電池は停電時の非常用電源として有効で、2,000kWh以上の容量があるものもあり、企業の電力使用量に応じた非常用電力の確保が推奨されます。 

系統用蓄電池の導入には高い初期費用と維持費がかかります。設置用地の確保や建設費、定期的なメンテナンスが必要で、保守専門会社による点検や修理が求められます。導入前には、長期的なコスト回収計画を立てることが重要です。 系統蓄電池への投資は、卸電力市場の価格変動により収益予測が難しいです。収益を上げるには専門知識が必要で、アグリゲーターに運用を委託することが一般的です。今後、脱炭素オークションや需給調整市場の開設により、投資の収益性は安定する可能性がありますが、複数の市場取引を組み合わせた計画が求められます。