【系統用蓄電池とは】

系統用蓄電池は、電力系統や再生可能エネルギー発電所に直結する蓄電池のことで、需給バランスの調整や再生可能エネルギーの導入促進に活用されます。 太陽光発電の電気や市場から購入した電気を蓄え、必要に応じて放電し市場に売電することで経済的な利益を得られます。 つまり、系統蓄電池を活用すれば、電気代が安いときに電気を貯め、高いときに放電して売ることで、価格差による利益を得られます。 また、再生可能エネルギーの不安定さを補い、電力系統の安定化にも貢献します。  

 

【系統用蓄電池に求められる役割】

電力系統では需給バランスが常に同時である必要がありますが、再生可能エネルギーの増加によりバランスが崩れると、停電リスクが高まります。そのため、出力制御が行われています。 系統蓄電池を活用することで、余剰電力を蓄電し、需給の安定化が期待されています。 また、2022年の電気事業法改正により、系統蓄電池を活用した市場取引が可能になり、高利回りの投資が期待されています。JEPX(日本卸電力取引所)で電気の価格が変動する中、安い時間帯に蓄電し、高い時間帯に放電・販売することで利益を得られます。ただし、運用には市場の動向予測や専門知識が必要です。  

 

【なぜ系統用蓄電池が注目されるのか】

電力の市場価格は需給や気象、燃料費などで大きく変動し、30分ごとに変わります。夜間に安く蓄電し、日中の高騰時に売電することで高い利益が期待できます。近年の国際情勢やエネルギー価格の変動により価格差が拡大し、系統蓄電池の投資価値が高まっています。 系統蓄電池は高額ですが、初期費用は年々低下しています。2022年時点の平均価格は6万円/kWhで、2MWhの設置費用は約1億2千万円と試算されます。経済産業省は蓄電池の普及を推進し、2030年までに同価格を維持すると発表。コストパフォーマンスの向上が注目されています。 一方で、政府が系統連系用蓄電池の補助制度を強化し、多額の予算を投じています。主な目的は、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う出力制御の強化や余剰電力の有効活用です。充放電による需給調整が求められ、蓄電池の重要性がさらに高まっています。